2015-10-12 Mon [ 昔のこと::古の技術 ]
正しい呼び方があったわけでもないけれど、少なくとも僕はスプライトローテーションと呼んでいた技術について、ちょっと残しておこうというネタ。パート2である。多分これで終わりになる。
前回のを読んでおられない方は前回 の記事を読んでいただきたい。読まないと全くわからない話である。
前回の仮想ゲームマシン、ダメダメファミリーコンピュータ、略してダメコンが改良されてスーパーダメコンというのが登場したとしよう。
このスーパーダメコンは、なんとスプライトが5つ出せるようになった! …ということにしておく。
ところが、スプライトは一個増えたが、3つ以上が同じラインに並ぶとバッファ上の一番最後のスプライトが消えるのは変わらない…という状況だとしよう。
つまり表示能力は20%増しだが、スプライトの消える度合いは変わらないという、ダメなハードである。
で、この仮想ハードでは、前回のスプライトローテーションはマズいので、一工夫したほうが良くて、当時はそういう工夫を場合によってはソフト毎にやっていたのだ…というのが、今回の話になる。
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前回のを読んでおられない方は前回 の記事を読んでいただきたい。読まないと全くわからない話である。
ちなみにスプライトローテーションという言葉は、当時、ハドソンのエースプログラマの一人だった和泉さんが作った言葉ではないかという話を読者の方からいただいた。
前回の仮想ゲームマシン、ダメダメファミリーコンピュータ、略してダメコンが改良されてスーパーダメコンというのが登場したとしよう。
このスーパーダメコンは、なんとスプライトが5つ出せるようになった! …ということにしておく。
ところが、スプライトは一個増えたが、3つ以上が同じラインに並ぶとバッファ上の一番最後のスプライトが消えるのは変わらない…という状況だとしよう。
つまり表示能力は20%増しだが、スプライトの消える度合いは変わらないという、ダメなハードである。
で、この仮想ハードでは、前回のスプライトローテーションはマズいので、一工夫したほうが良くて、当時はそういう工夫を場合によってはソフト毎にやっていたのだ…というのが、今回の話になる。
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2015-10-06 Tue [ Ysを作った頃 ]
ふっと思い出した『イースⅠ・Ⅱ』の話。
一度も書いたことがないし、言ったこともないような気がしたので、メモ代わりに残しておく。
遥か遠い昔の記事で書いたとおり、PCエンジン版の『イースⅠ・Ⅱ』は作る前から、もうこう作るときめていた。
と、たったこんだけで、実に簡単な方針だ。
この方針はCDROMのいい所だけを見せて、悪い所は見せないためのものだけど、実際に作るうえで、特に重視していたのがオープニングだった。
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一度も書いたことがないし、言ったこともないような気がしたので、メモ代わりに残しておく。
遥か遠い昔の記事で書いたとおり、PCエンジン版の『イースⅠ・Ⅱ』は作る前から、もうこう作るときめていた。
●2本入れて1本にする(これは僕から中本さんに提案した)
●音楽はCDオーディオ
●パソコンのグラフィックを強化
●アニメーションのデモをやる
●声をつける
●CDオーディオ使うからデータは圧縮して詰める。できるだけロードしない
●音楽はCDオーディオ
●パソコンのグラフィックを強化
●アニメーションのデモをやる
●声をつける
●CDオーディオ使うからデータは圧縮して詰める。できるだけロードしない
と、たったこんだけで、実に簡単な方針だ。
この方針はCDROMのいい所だけを見せて、悪い所は見せないためのものだけど、実際に作るうえで、特に重視していたのがオープニングだった。
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2015-10-04 Sun [ 昔のこと::古の技術 ]
正しい呼び方があったわけでもないけれど、少なくとも僕はスプライトローテーションと呼んでいた技術について、ちょっと残しておこうというのが、今回のネタ。
おっそろしく古臭いハードの、おっそろしく古臭い技術で、残しておいたから「どうだ」ということでも全くないが、まあ後世のエミュレータを調べた人たちが「なんでこんなワケのわからんことをしていたんだ?」という疑問からは脱出することが出来るだろう。
めんどくさいので、以下の簡単な前提。
スプライトは、1980年代前半~1990年代半ばまでゲームで幅広く中心的に使われたグラフィックのハードウェア(および一部ソフトウェア)技術。
だいたい8x8~64x64ドットの矩形で、画面の座標を指定したら、速攻その場所に異動して、背景画面を壊さなくて、書き換え負荷がない神様みたいなモノ。透明色があったので、背景との重ね合わせも超カンタンである。ちなみにスプライトの指定座標は画面より大きいことが多く、画面外から出し入れするのも難しくなかった。
初期段階からスプライト単位での上下・左右反転ぐらいは出来て、後期は回転・拡大・縮小が出来るのも当たり前になったのだけど、回転・拡大・縮小が出来るようになったのは、アーケードでも80年代後半~90年代で、家庭用ゲームマシンではPS/サターン世代までは実質的に登場しなかった。
ファミコンだのPCエンジンだのメガドラだのSFCあたりの世代のマシンでは、敵だの弾だのマイキャラだのといった画面の上で自由に動くものにともかく使われていた。
ついでに書くと3DO・PS1・サターン世代はフレームバッファ形式なので、今回書くラインバッファ方式のスプライトとは全く制限が違う。
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おっそろしく古臭いハードの、おっそろしく古臭い技術で、残しておいたから「どうだ」ということでも全くないが、まあ後世のエミュレータを調べた人たちが「なんでこんなワケのわからんことをしていたんだ?」という疑問からは脱出することが出来るだろう。
めんどくさいので、以下の簡単な前提。
スプライトは、1980年代前半~1990年代半ばまでゲームで幅広く中心的に使われたグラフィックのハードウェア(および一部ソフトウェア)技術。
だいたい8x8~64x64ドットの矩形で、画面の座標を指定したら、速攻その場所に異動して、背景画面を壊さなくて、書き換え負荷がない神様みたいなモノ。透明色があったので、背景との重ね合わせも超カンタンである。ちなみにスプライトの指定座標は画面より大きいことが多く、画面外から出し入れするのも難しくなかった。
初期段階からスプライト単位での上下・左右反転ぐらいは出来て、後期は回転・拡大・縮小が出来るのも当たり前になったのだけど、回転・拡大・縮小が出来るようになったのは、アーケードでも80年代後半~90年代で、家庭用ゲームマシンではPS/サターン世代までは実質的に登場しなかった。
ファミコンだのPCエンジンだのメガドラだのSFCあたりの世代のマシンでは、敵だの弾だのマイキャラだのといった画面の上で自由に動くものにともかく使われていた。
ついでに書くと3DO・PS1・サターン世代はフレームバッファ形式なので、今回書くラインバッファ方式のスプライトとは全く制限が違う。
余談ついでに書くとセガのバーチャファイター1とかサターンあたりのハードやFM-TOWNSあたりのポリゴンともスプライトとも言えない過渡期のハードでは、変形可能な(雑には4点が指定され、矩形の必要がないということ)4頂点 指定のスプライト(四角ポリゴン)だったりする。三角形と比較して、扱いやすいところと扱いにくいところがあるのだけど、全体としてはメリットよりデメリットのほうが大きいので主流にならなかった。
(三角形は2枚を組み合わせると四角に出来るが四角形を三角にすることが出来ないとか、四角形だとねじれる問題が発生するなんてあたりが結構決定的な要因のひとつ)
(三角形は2枚を組み合わせると四角に出来るが四角形を三角にすることが出来ないとか、四角形だとねじれる問題が発生するなんてあたりが結構決定的な要因のひとつ)
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