2010-03-23 Tue [ ゲーム作りライフ ]
これはある雑誌のために連載される予定だった文だ。
ところが雑誌の企画自体が消えてしまう呆然の展開になってしまったために、宙に浮いてしまったので、もったいないから、これをblogにアップすることにした。
5回分ぐらいの文がたまっているので、それを今のデータに書き直しつつ、アップしていくつもり。
そのあと、どうするかはなーんも考えてない(笑)
ところが雑誌の企画自体が消えてしまう呆然の展開になってしまったために、宙に浮いてしまったので、もったいないから、これをblogにアップすることにした。
5回分ぐらいの文がたまっているので、それを今のデータに書き直しつつ、アップしていくつもり。
そのあと、どうするかはなーんも考えてない(笑)
ちょっと世界的なゲーム界の流れを知っている人なら「韓国はオンラインゲーム大国だ」ということは知っているが「どうして韓国ではオンラインゲームが中心になったのか?」について知っている人は少ない。
まずは、これについて知ることで韓国のゲームシーンの理解が大きく深まるだろう。
歴史を紐解くと、韓国でオンラインゲームが中心になったのは韓国が国策としてADSLを普及させようとしたことから話が始まる(1997年頃)。
これは当時のアメリカの情報ハイウェイ戦略とか、ドットコムバブルとか、ともかくインターネットが新しいメディア/産業として注目されていたときインターネットの普及が国の力にそのまま直結する…との考え方から出てきた政策だ。
とは言っても、当時は韓国の不況のど真ん中で、おまけにパソコンも高価だったりし、さらに準備に手間がかかったりで、本格的にサービスが始まったのが1999年だが、このとき登場したのが「PC房」、日本で言うネットカフェ。
日本のマンガ喫茶ではなく、文字通りネットカフェ。全ての席にパソコンがついていて、PCでインターネットが出来る物だが、この「PC房」が、ある理由で爆発的に流行した。
そのある理由が『ディアブロ1/2』と『スタークラフト』(どちらもブリザード・エンタテイメント)。
…と書いても、世界的には途方もない大ヒットゲームでも、どちらも日本ではマイナーなソフトなので、簡単に解説しておこう。
『ディアブロ』および『ディアブロ2』は『ウルティマオンライン』と並んで、現在のネットゲームの基礎を作り上げたゲームで、ネットワーク(インターネットを含む)でグループを組み、ダンジョン探索する、日本でいうなら「複数プレイヤーが同時に遊べる不思議のダンジョンシリーズ」ぐらいに理解するのが分かりやすい。
ただ、シングルで遊び、ネットに繋いでも救助や他人のプレイを見るぐらいの「不思議のダンジョン」シリーズと比べると大きく違うのが、『ディアブロ』は「一つのダンジョンに複数のプレイヤーがグループを組んで入る(入れる)」ということ。
複数で入るということは、当然、プレイヤー間での連携や助け合いがあり、ゲームの面白さは何倍にも強化されていた。さらにはプレイヤー同士で殺し合うことすら出来、強盗がいたり、まあグループ内で仲間割れした挙げ句に殺し合い…なんてこともある、ちょっと「不思議のダンジョン」なんかじゃあり得ないことも良くあった。
ここではっきり覚えておいて欲しいのが、この「殺し合いが可能だ」という点だ。実はこの殺し合いが可能(PKと呼ぶ)というのが、後の韓国のオンラインゲームに大きく影響を与えていく。
またもう一つのタイトル『スタークラフト』は発売10年以上経つが、今でも韓国では大人気ゲームでプロゲーマーの競技の一つとしてもメジャーなソフトで、3つの種族が戦うSF物のRTS。
…と書いても、RTS自体が日本ではメジャーとは言い難いので、これまた説明すると完全にリアルタイムに進行する、プレイヤーは生産や移動をマップ全体を意識しながらマウスでばりばり操作して戦っていくシミュレーションゲームだ。
有名な作品はこれ以外にも"Age Of Empire"や「スタークラフト」の姉妹作品にあたる"ウォークラフト"シリーズなどがあり、世界的には大変な人気を誇るゲームだ。
ともかく『ディアブロ』と『スタークラフト』の2つの途方もないヒットによって、PC房は大ブームとなって、ゲームメーカーもオンラインゲームに目を向け、そして「オンラインゲーム」に韓国ゲームメーカーはこぞって参入し、今や韓国は世界でも有数のオンラインゲーム大国になったわけだ。
だが実はここで一つ欠けている、あまり語られていない事実がある。
それは「韓国はつい数年前までは、実質オンラインゲーム市場しかなかった」ということ。
つまり、韓国はオンラインゲーム大国ではなく、オンラインゲームしかない国ということだ。
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