2012-07-10 Tue [ ゲーム作りライフ ]
僕が今勤務しているのはゲームロフト・ニュージーランドのオークランドスタジオだ。
ここは南半球だから季節が逆だとか、英語で生活しなくちゃいけないという以外にゲームライフ…いや生活そのものに結構大きな影響を及ぼすものがある。
それはリージョンロックによるインターネットやらゲームやらの違い。
と…書いてもわからない人もいるだろうから、簡単に説明すると「リージョンロックってのは世界を適当に分け、地域ごとにサービス(や提供形態・時期)を変えること」を示していると思っていい。
これは世界で法律やいろんなものが違うから仕方がない面はある。例えば韓国のネットゲームの規制は日本と違うので分けざるを得ないし、アメリカと日本ではエロや暴力に対する規制が違うので映画もビデオも同じではすまない。
世界で同じサービスを提供するのはかなりの難事業で、全世界で全年齢向けを作るのはものすごく大変だ。
そして、世界中で規制が違うから、ある程度分けざるを得ないのもわかる…と思っていた。
だけど、日本人であるにもかかわらず、しかもサービスはインターネットで世界中からアクセスできるにもかかわらず、サービスを受けられないのが当たり前の代物が山のようにある…となると、このリージョンロックってのはどうなんだと思うようになる。
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ここは南半球だから季節が逆だとか、英語で生活しなくちゃいけないという以外にゲームライフ…いや生活そのものに結構大きな影響を及ぼすものがある。
それはリージョンロックによるインターネットやらゲームやらの違い。
と…書いてもわからない人もいるだろうから、簡単に説明すると「リージョンロックってのは世界を適当に分け、地域ごとにサービス(や提供形態・時期)を変えること」を示していると思っていい。
これは世界で法律やいろんなものが違うから仕方がない面はある。例えば韓国のネットゲームの規制は日本と違うので分けざるを得ないし、アメリカと日本ではエロや暴力に対する規制が違うので映画もビデオも同じではすまない。
世界で同じサービスを提供するのはかなりの難事業で、全世界で全年齢向けを作るのはものすごく大変だ。
そして、世界中で規制が違うから、ある程度分けざるを得ないのもわかる…と思っていた。
だけど、日本人であるにもかかわらず、しかもサービスはインターネットで世界中からアクセスできるにもかかわらず、サービスを受けられないのが当たり前の代物が山のようにある…となると、このリージョンロックってのはどうなんだと思うようになる。
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2012-06-29 Fri [ ゲーム作りライフ ]
なんだか、最近、日本のゲーム作っている人と話をしてて、よくわからなくなってきたので、海外のスタジオと、そこに勤める人の職能を書いて、少し疑問を投げてみたい。
まずスタジオってのがどういうものかというとゲームを作る場所。
スタジオには2種類あり、ひとつがパブリッシャーの下にあるタイプ、いわば支社とか子会社みたいなもので、例えば、僕が勤めているゲームロフトのオークランドスタジオはそのタイプだ。
もうひとつが、独立スタジオ。簡単に書けばゲームを作る開発専門の会社だ。
具体的には、例えば僕の尊敬するケン・ロルストンが仕事をしているBig Huge Gamesがそうだし、僕が韓国でいた会社や、勤めたこともある会社もそう(ああ、しかしBHGはどうやらチャプター11っぽいが…)。
スタジオの中でゲームを作っている人達はどんな風に分かれているのかというと
・ゲームデザイン
・アート(グラフィック)
・サウンド
・プログラム
・プロデューサー(プロジェクトマネジメント)
の5種類。
これはスタジオのサイズがどんだけでかくなっても変わらない。ウン百人いるスタジオでも、この5つの職以外はほぼいないと思っていい。
(もちろんデカくなるに従って、細かく事務やITといった日本でいう非生産部門は増えていく)
ではそれぞれの役割はなにかというと…
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まずスタジオってのがどういうものかというとゲームを作る場所。
スタジオには2種類あり、ひとつがパブリッシャーの下にあるタイプ、いわば支社とか子会社みたいなもので、例えば、僕が勤めているゲームロフトのオークランドスタジオはそのタイプだ。
もうひとつが、独立スタジオ。簡単に書けばゲームを作る開発専門の会社だ。
具体的には、例えば僕の尊敬するケン・ロルストンが仕事をしているBig Huge Gamesがそうだし、僕が韓国でいた会社や、勤めたこともある会社もそう(ああ、しかしBHGはどうやらチャプター11っぽいが…)。
スタジオの中でゲームを作っている人達はどんな風に分かれているのかというと
・ゲームデザイン
・アート(グラフィック)
・サウンド
・プログラム
・プロデューサー(プロジェクトマネジメント)
の5種類。
これはスタジオのサイズがどんだけでかくなっても変わらない。ウン百人いるスタジオでも、この5つの職以外はほぼいないと思っていい。
(もちろんデカくなるに従って、細かく事務やITといった日本でいう非生産部門は増えていく)
ではそれぞれの役割はなにかというと…
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2012-06-13 Wed [ ゲーム作りライフ ]
なんだかんだでニュージーランドで仕事を始めて7ヶ月が経っていた。
気がついたら半年を過ぎていたわけで、時間の経つ早さに驚いてしまう。
ところで、最近、僕の受けたミーティングがあって、日本との違いを強く感じたことだったので、少しメモ代わりに残しておきたい。
それは何かというとニュージーランドの解雇規定の勉強。
当たり前だけど、スタジオのある場所はニュージーランドなのでニュージーランドの雇用の法律の制限下にある。だからスタジオで人を雇うなり、解雇するなりするのもニュージーランドの法律下にあることになる。ちなみに、雑にはニュージーランドの解雇規定はアメリカほど自由じゃないけど、ヨーロッパほど労働者よりでもない、中庸の国らしい。
で、あんたは管理職だから受けなされというわけで受けた講義なのだけど、日本とあまりに違うものでビックリした。
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気がついたら半年を過ぎていたわけで、時間の経つ早さに驚いてしまう。
ところで、最近、僕の受けたミーティングがあって、日本との違いを強く感じたことだったので、少しメモ代わりに残しておきたい。
それは何かというとニュージーランドの解雇規定の勉強。
当たり前だけど、スタジオのある場所はニュージーランドなのでニュージーランドの雇用の法律の制限下にある。だからスタジオで人を雇うなり、解雇するなりするのもニュージーランドの法律下にあることになる。ちなみに、雑にはニュージーランドの解雇規定はアメリカほど自由じゃないけど、ヨーロッパほど労働者よりでもない、中庸の国らしい。
で、あんたは管理職だから受けなされというわけで受けた講義なのだけど、日本とあまりに違うものでビックリした。
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2012-05-18 Fri [ ゲーム作りライフ ]
facebookに載せた文なんだけど、なんか人によっては嬉しいかなと思ったので、ちょっと書き直してブログにも載せておくことにした。
海外で一般的なゲームを作るときのプロセスについて。
自分が知ってる会社4つ、EA、UBI、TAKE2、ゲームロフトが全部こんな感じで進む(もしくは聞いて同じだと思った)ので、海外はこれがフツーなんだと思っている。
プロジェクトチームの構造などは、また別の話。
ちなみに僕は国内での仕事の最後はメディアワークス時代だ。
だから、最後に知っているのからですら5年以上経っているので、現在の国内でどういうプロジェクトの進め方をしているのかはよく知らない。だから、似たようなものなのかもしれない。
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海外で一般的なゲームを作るときのプロセスについて。
自分が知ってる会社4つ、EA、UBI、TAKE2、ゲームロフトが全部こんな感じで進む(もしくは聞いて同じだと思った)ので、海外はこれがフツーなんだと思っている。
プロジェクトチームの構造などは、また別の話。
ちなみに僕は国内での仕事の最後はメディアワークス時代だ。
だから、最後に知っているのからですら5年以上経っているので、現在の国内でどういうプロジェクトの進め方をしているのかはよく知らない。だから、似たようなものなのかもしれない。
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2012-01-13 Fri [ ゲーム作りライフ ]
ニュージーランドについて2ヶ月が経った。
つまり、ゲームロフトのスタジオデザインディレクターとかいうものになって2ヶ月過ぎたってことだ。
正直に書くと、最初の2週間は勤まるのかと思ったぐらいだった。
アジア・オセアニアのマネージャーに「ニュージーランドスタジオのリードゲームデザイナーに就任しない?」と聞かれ「いいよ」で就職したのはいいけれど、一度も行った事がない国で、韓国で使っていたとはいえ錆びついてしまっている英語で仕事をしろって話だ。自信があるわけない。
このやばいだろーなって予想は当たり前のように当たった。
誰も知らない会社。日本語喋るのは自分ひとり。英語はさび付いてる。当然コミュニケーションがきつい。
さらに仕事の流儀が分かっていない。当たり前だけど、会社ごとに流儀は違う。だから、細かいところでどうしたらいいかわからない。しかも複数のプロジェクトがかなり進んでいる状態で入って、ゲームデザインのスタッフの能力もメンツも把握も出来ないまま仕事をしているのだから、ますます分からない。
本当にきっついなーと思っていたのだけど、理解ある上司・同僚・部下(!)に助けられ、なんとかなるかもと思い出したのが3週間あたり。1ヶ月を過ぎたあたりで「ああ、まあなんとかなりそうだ」と思うようになった。
ちなみに右の写真は今、バス停留所に貼ってある「ドラゴン・タトゥーの女」のポスター。なんだかカッコ良かったので、なんとなく写真を撮ったw
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つまり、ゲームロフトのスタジオデザインディレクターとかいうものになって2ヶ月過ぎたってことだ。
正直に書くと、最初の2週間は勤まるのかと思ったぐらいだった。
アジア・オセアニアのマネージャーに「ニュージーランドスタジオのリードゲームデザイナーに就任しない?」と聞かれ「いいよ」で就職したのはいいけれど、一度も行った事がない国で、韓国で使っていたとはいえ錆びついてしまっている英語で仕事をしろって話だ。自信があるわけない。
このやばいだろーなって予想は当たり前のように当たった。
誰も知らない会社。日本語喋るのは自分ひとり。英語はさび付いてる。当然コミュニケーションがきつい。
さらに仕事の流儀が分かっていない。当たり前だけど、会社ごとに流儀は違う。だから、細かいところでどうしたらいいかわからない。しかも複数のプロジェクトがかなり進んでいる状態で入って、ゲームデザインのスタッフの能力もメンツも把握も出来ないまま仕事をしているのだから、ますます分からない。
本当にきっついなーと思っていたのだけど、理解ある上司・同僚・部下(!)に助けられ、なんとかなるかもと思い出したのが3週間あたり。1ヶ月を過ぎたあたりで「ああ、まあなんとかなりそうだ」と思うようになった。
ちなみに右の写真は今、バス停留所に貼ってある「ドラゴン・タトゥーの女」のポスター。なんだかカッコ良かったので、なんとなく写真を撮ったw
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