2017-03-07 Tue [ 昔のこと::ハドソン関係 ]
これはほぼ30年前の話であり大枠は間違っていない自信はあるが、細部については間違いがある可能性は十分にある。
当時のことを覚えているスタッフがいたら、ぜひ覚えてる話をfacebookにでも投げてほしい(つーても、これについて知っているはずの直接の知り合いは山本さん、マンガさん、三上君ぐらいしかいないけど) 。
今まで何回か書いてきたことだが、29年前の1988年に、デビュー作のさいきょーRPG 『凄ノ王伝説』を作るために北海道ハドソンに行ったとき、一緒に仕事をしたアーティストに山本さんという方がおられた。
この方はハドソンで一番最初に「デザイナー」と呼ばれる仕事をした人で、野沢さんの『スターソルジャー』でも背景のドットを打っておられる、大変な職人さんだった。
で、コンソールゲームのノウハウがさっぱりわかっていない僕は、結構山本さんのノウハウに助けられたわけだけど(アルファの連中のノウハウにも、もちろんハドソンのノウハウにも助けられたのだけど)、これは実はその話とはまるで関係ない、僕が記憶している、山本さんがかかわったゲームの話をここに記録しておこうというわけである。
ある日、僕がミッキーマウス「不思議の国の大冒険」をプレイしていたのを山本さんが見て、しゃべりだした、というのが僕の記憶なのだけど、もしかしたら「ハドソンのファミコンゲームの中でミッキーマウスって好きなんですよね」って話から始まったのかもしれない。
ところで、この話が分からなくならないように、簡単に説明しておくと、ミッキーマウス「不思議の国の大冒険」は87年春にハドソンから発売されたファミコンのゲームだ。右はパッケージ。
内容を簡単に説明すると『不思議の国のアリス』をモチーフにした世界で、ミッキーがミニーを連れてサイドスクロールで進んでいき、ボスを倒して、最後にいるアリスを救う…と、まあこんな感じの話だ。
ファミコン初のディズニーのキャラクターゲームだとか、ミニーが後ろについてくる無敵キャラで、ちょっと扱いが変わっているとか、いろいろとポイントのある。女子向けを狙ったのかなあと思うところがあり、当時のゲームの中では難易度が低い方に入る。
そして山本さんは不思議の国の大冒険のアーティストをされた方だったのだけど、ともかく、山本さんは僕の言ったことに「こんなに苦労したゲームはなかったよ! ドラえもん以上に苦労したよ!」と、とんでもなく面白い話をしゃべりだしたのである。
さて、まず最初はハドソンがディズニーに見せたゲームは、ゲーム内容は変わらないものだったが、 ミッキーが銃で(山本さんの話ではリボルバーっぽいカートゥーンっぽい銃だったらしい)出てくる敵を撃つゲームだった。
ディズニー却下。
理由は「ミッキーは殺しません」。
ハドソン全員ギャー。
では、というので頭をひねったハドソンのメンバー、石を投げて敵をやっつけるゲームに! これなら大丈夫だ!
ディズニー却下。
理由は「ミッキーは傷つけません」。
ハドソン全員ギャー!
敵をやっつけないアクションゲームにすることは出来るだろうが、まあゲームデザインの大変更だし、時間も足りない。みんな頭を抱えて、誰かが思いついたのが…
「そうだ、石じゃなく、消しゴムにすればいいんじゃない!?」
で、グラフィックを消しゴムに描き直し、ディズニーに見せた。
ついにディズニーOK。
かくして、ハドソンは発売にこぎつけたわけだが、他にもグラフィックの監修の修正は非常に厳しく、山本さん曰く「ドラえもんの方が何倍も楽だった」で、一番大変なゲームナンバーワンとのことだった。
で、僕はそれを聞いて面白くて、笑い転げていたわけである。
ところで一つ書いておくと、これはやはりキャラクタゲーム黎明期の話だと思う。
今なら、最初にゲームデザインの企画書なりなんなりを出して、その段階で「銃撃つなんてマズいっす」と修正が入るわけで、こんな作りながら修正が入ってドタバタになるなんてありえない。
そういう意味では作る側も、そしてチェックする側も、全く体制が整っていなかった時代だなと思うのだ。
何もかも古い30年前の話である。
当時のことを覚えているスタッフがいたら、ぜひ覚えてる話をfacebookにでも投げてほしい(つーても、これについて知っているはずの直接の知り合いは山本さん、マンガさん、三上君ぐらいしかいないけど) 。
今まで何回か書いてきたことだが、29年前の1988年に、デビュー作のさいきょーRPG 『凄ノ王伝説』を作るために北海道ハドソンに行ったとき、一緒に仕事をしたアーティストに山本さんという方がおられた。
この方はハドソンで一番最初に「デザイナー」と呼ばれる仕事をした人で、野沢さんの『スターソルジャー』でも背景のドットを打っておられる、大変な職人さんだった。
当時は絵を描く人はドット屋もしくはグラフィッカーもしくは、デザイナーと呼ばれていた。
そして、日本では絵描きの仕事は今では普通デザイナーと呼ばれるが、これは海外の職分では[2D|3D|テクニカル]アーティスト。
そしてデザイナーというと「ゲームデザイナー」や「レベルデザイナー」で、間違っても絵描きではない。
これは海外(主に欧米)と仕事をするとき、必ず用語で混乱するので、合わせた方がいいと思っているのだが…
そして、日本では絵描きの仕事は今では普通デザイナーと呼ばれるが、これは海外の職分では[2D|3D|テクニカル]アーティスト。
そしてデザイナーというと「ゲームデザイナー」や「レベルデザイナー」で、間違っても絵描きではない。
これは海外(主に欧米)と仕事をするとき、必ず用語で混乱するので、合わせた方がいいと思っているのだが…
で、コンソールゲームのノウハウがさっぱりわかっていない僕は、結構山本さんのノウハウに助けられたわけだけど(アルファの連中のノウハウにも、もちろんハドソンのノウハウにも助けられたのだけど)、これは実はその話とはまるで関係ない、僕が記憶している、山本さんがかかわったゲームの話をここに記録しておこうというわけである。
ある日、僕がミッキーマウス「不思議の国の大冒険」をプレイしていたのを山本さんが見て、しゃべりだした、というのが僕の記憶なのだけど、もしかしたら「ハドソンのファミコンゲームの中でミッキーマウスって好きなんですよね」って話から始まったのかもしれない。
ところで、この話が分からなくならないように、簡単に説明しておくと、ミッキーマウス「不思議の国の大冒険」は87年春にハドソンから発売されたファミコンのゲームだ。右はパッケージ。
内容を簡単に説明すると『不思議の国のアリス』をモチーフにした世界で、ミッキーがミニーを連れてサイドスクロールで進んでいき、ボスを倒して、最後にいるアリスを救う…と、まあこんな感じの話だ。
ファミコン初のディズニーのキャラクターゲームだとか、ミニーが後ろについてくる無敵キャラで、ちょっと扱いが変わっているとか、いろいろとポイントのある。女子向けを狙ったのかなあと思うところがあり、当時のゲームの中では難易度が低い方に入る。
女性向けではなく、女子向けと書いたのには理由がある。当時のファミコンブーム時のファミコンのメインユーザーは小学校高学年~中学生だったので、女性ではなく「女子向け」というわけだ。
そして山本さんは不思議の国の大冒険のアーティストをされた方だったのだけど、ともかく、山本さんは僕の言ったことに「こんなに苦労したゲームはなかったよ! ドラえもん以上に苦労したよ!」と、とんでもなく面白い話をしゃべりだしたのである。
さて、まず最初はハドソンがディズニーに見せたゲームは、ゲーム内容は変わらないものだったが、 ミッキーが銃で(山本さんの話ではリボルバーっぽいカートゥーンっぽい銃だったらしい)出てくる敵を撃つゲームだった。
ディズニー却下。
理由は「ミッキーは殺しません」。
ハドソン全員ギャー。
では、というので頭をひねったハドソンのメンバー、石を投げて敵をやっつけるゲームに! これなら大丈夫だ!
ディズニー却下。
理由は「ミッキーは傷つけません」。
ハドソン全員ギャー!
敵をやっつけないアクションゲームにすることは出来るだろうが、まあゲームデザインの大変更だし、時間も足りない。みんな頭を抱えて、誰かが思いついたのが…
「そうだ、石じゃなく、消しゴムにすればいいんじゃない!?」
で、グラフィックを消しゴムに描き直し、ディズニーに見せた。
ついにディズニーOK。
かくして、ハドソンは発売にこぎつけたわけだが、他にもグラフィックの監修の修正は非常に厳しく、山本さん曰く「ドラえもんの方が何倍も楽だった」で、一番大変なゲームナンバーワンとのことだった。
で、僕はそれを聞いて面白くて、笑い転げていたわけである。
ところで一つ書いておくと、これはやはりキャラクタゲーム黎明期の話だと思う。
今なら、最初にゲームデザインの企画書なりなんなりを出して、その段階で「銃撃つなんてマズいっす」と修正が入るわけで、こんな作りながら修正が入ってドタバタになるなんてありえない。
そういう意味では作る側も、そしてチェックする側も、全く体制が整っていなかった時代だなと思うのだ。
何もかも古い30年前の話である。
コメント
>ネズミ呼ばわり
悪役だから「ミッキーをネズミ扱いする」という酷い罵倒をしてるって設定でセーフなのかも。
悪役だから「ミッキーをネズミ扱いする」という酷い罵倒をしてるって設定でセーフなのかも。
| じぇみに | EMAIL | URL | 17/03/08 18:50 | wmTTAgcY |
私もこの話、聞いたことあります。
マニュアルを作る際も「ミッキーマウスは世界的に有名なネズミです」という文章が「ミッキーはネズミではありません」という理由でNGになったそうです。
名前にマウスと付いていますが、ミッキーマウスという生き物なのだそうです。
でも先日見たディズニーシーのアトラクションで悪い魔女がミッキーに「このちっぽけなネズミの夢を打ち砕いてやる!」と、ネズミ呼ばわりしてました。
マニュアルを作る際も「ミッキーマウスは世界的に有名なネズミです」という文章が「ミッキーはネズミではありません」という理由でNGになったそうです。
名前にマウスと付いていますが、ミッキーマウスという生き物なのだそうです。
でも先日見たディズニーシーのアトラクションで悪い魔女がミッキーに「このちっぽけなネズミの夢を打ち砕いてやる!」と、ネズミ呼ばわりしてました。
| 長山 | EMAIL | URL | 17/03/07 20:09 | wJUrhIAI |
子供ながら自力でクリアしましたが、最後のボスが無敵になって突っ込むしか無かった記憶が……
もしかしたら他に解法があったのだろうか
もしかしたら他に解法があったのだろうか
| 三ッ木ー | EMAIL | URL | 17/03/07 19:33 | PZsQe3sM |
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