2017-06-16 Fri [ レビュー::本 ]
僕はシナリオ論、特にゲームのシナリオ論に対してずっとこだわりがある人間で、だから自分でも『Re:ゼロから始めるゲームシナリオ』(通販ページ)なんて同人誌を作って、そもそも論を書いてしまったりするのだけど、このブログにはシナリオ論に関する記事が二つある。
■「シナリオの教科書」
■「シナリオの書き方」
どちらもシド・フィールド先生の書いた、いわゆる3幕構成をロジックで説明した古典的なシナリオ論の教科書だ。ここで説明した2冊…というか、シド・フィールド先生が作り上げた映画の3幕構造理論は、海外のシナリオ理論の基礎教養になっていて、これを知らないとそもそもの説明がわからないとかそういうことが起こるので、これは絶対に読んでおいたほうがいい。
つまり基礎教養篇ってことになる。
これに加えて4冊、「これは素晴らしい」と断言できる教科書があるので、今回は紹介しておきたい。
というか、最後の一冊が実はつい最近買って読んだら大興奮で、今まで読んでいなかったのを超反省するような代物だったので、ついでに他も紹介しようというのが今回の記事なのであるw
シド・フィールド先生の3幕構成をブレイク・スナイダー流に実用的に改善した技術が説明される。どのように着想して、どんな主人公にして、どんな構造で映画を作るかの一連のプロセスを「ログライン」と「ビートシート」と呼ばれる二つの技術で組み立てていくやり方。シド・フィールド方式を理解していると、斜め読みしても理解できる内容の本だが、実用的な意味で非常に示唆に富んでいるところ(おたのしみシーンなど)が多く、現実的な映画のフォーマットは、このビートシートの構造の方に近い。
なんてこったいの、またまたブレイク・スナイダーの本。
これはスゴい本で、様々なストーリーの「類型」を10のパターンに分解して、それぞれがどういう構造になっているのか、テーマはなにか、ミソはどこかをビートシートの形で分解して解説してくれている本。ストーリータイプのアンチョコとして恐ろしく便利なので、手元に一冊おいておくのが超オススメ。で、これを理解するためにもビートシートを理解しておいた方がいいって話なのだ。
今回の本の中で、ゲームシナリオを書く人が「かねないんで、どれか一冊」と言われたらコレをオススメしておく。
この表紙からは想像もつかない(失礼!)、徹底的に学術的な本で、僕とは若干立場は違うが、マルチパスやシナリオ構造についてかなり緻密な議論が行われていて、ゲームシナリオのシド・フィールド本として成りたつレベルの内容だと思う。ただ、いくつかの点で僕はこの本の主張に同意できないところがあるが、それは大雑把には『re:ゼロから始まるゲームシナリオ』で書いたw
ずっと本は知っていたけれど、買いそびれていた本を買ったら、ぶっ飛びのすばらしさだったので、超オススメの本。「シーンとは取引である。取引のないシーンは削れる」って一文だけでも読む価値があるし、対立関係のために両極性ツールを使えってのも素晴らしい。ともかく分解のロジックの組み立てが素晴らしく、読んでいて大興奮してしまった。
こんなに興奮したのはシド・フィールド先生を初めて読んで以来かも。
ところで「じゃあどれを使えばいいの?」という話になるのだけど、一つ書くと、最初のシド・フィールドだけは斜め読みでもいいから、買って通読することを強くお勧めしたい。
なぜならシド・フィールドは書いた通り、シナリオライターの基礎教養になっていて、GDCだろうがどこだろうがシナリオに関する話が始まったとき、シド・フィールドの3幕構成を知っているのを前提にして、一切説明なしで、しゃべるのが当たり前だったりするので、3幕構成を知っていないと話にならないのだ。
そういう意味ではシド・フィールドは絶対だ。
次に、どうしてもというならゲーム関係者なら言うまでもなく『おもしろいゲームシナリオの作り方』になる。理論ベースで豊富な実例を分解しているのでとても役に立つ。またゲームへの距離でいうと『物語の法則』も近い。
ただ。
個人的な意見になるけど、ともかく全部買って、通読しなくていいから、斜め読みでいいから一通りざっと読んで、頭の中で「シナリオってのはこういう構造だ」と理解するのがいいと思っている。
専門書というのは、精読するべきポイントを押さえられれば、通読は雑でもいいし、だいたい通読する必要なんてなくて、超ナナメ読みしてともかく頭の片隅に情報として置いておくことが大事だと思っている。
読んでいって「アッ」と思ったところを押さえて、だんだん精度を上げていけばいいのだ。
どれか一冊を精読すればいいのではなく、たくさん見て様々な形を知っている方が大事だと思うのである。
■「シナリオの教科書」
■「シナリオの書き方」
どちらもシド・フィールド先生の書いた、いわゆる3幕構成をロジックで説明した古典的なシナリオ論の教科書だ。ここで説明した2冊…というか、シド・フィールド先生が作り上げた映画の3幕構造理論は、海外のシナリオ理論の基礎教養になっていて、これを知らないとそもそもの説明がわからないとかそういうことが起こるので、これは絶対に読んでおいたほうがいい。
つまり基礎教養篇ってことになる。
これに加えて4冊、「これは素晴らしい」と断言できる教科書があるので、今回は紹介しておきたい。
というか、最後の一冊が実はつい最近買って読んだら大興奮で、今まで読んでいなかったのを超反省するような代物だったので、ついでに他も紹介しようというのが今回の記事なのであるw
シド・フィールド先生の3幕構成をブレイク・スナイダー流に実用的に改善した技術が説明される。どのように着想して、どんな主人公にして、どんな構造で映画を作るかの一連のプロセスを「ログライン」と「ビートシート」と呼ばれる二つの技術で組み立てていくやり方。シド・フィールド方式を理解していると、斜め読みしても理解できる内容の本だが、実用的な意味で非常に示唆に富んでいるところ(おたのしみシーンなど)が多く、現実的な映画のフォーマットは、このビートシートの構造の方に近い。
なんてこったいの、またまたブレイク・スナイダーの本。
これはスゴい本で、様々なストーリーの「類型」を10のパターンに分解して、それぞれがどういう構造になっているのか、テーマはなにか、ミソはどこかをビートシートの形で分解して解説してくれている本。ストーリータイプのアンチョコとして恐ろしく便利なので、手元に一冊おいておくのが超オススメ。で、これを理解するためにもビートシートを理解しておいた方がいいって話なのだ。
今回の本の中で、ゲームシナリオを書く人が「かねないんで、どれか一冊」と言われたらコレをオススメしておく。
この表紙からは想像もつかない(失礼!)、徹底的に学術的な本で、僕とは若干立場は違うが、マルチパスやシナリオ構造についてかなり緻密な議論が行われていて、ゲームシナリオのシド・フィールド本として成りたつレベルの内容だと思う。ただ、いくつかの点で僕はこの本の主張に同意できないところがあるが、それは大雑把には『re:ゼロから始まるゲームシナリオ』で書いたw
ずっと本は知っていたけれど、買いそびれていた本を買ったら、ぶっ飛びのすばらしさだったので、超オススメの本。「シーンとは取引である。取引のないシーンは削れる」って一文だけでも読む価値があるし、対立関係のために両極性ツールを使えってのも素晴らしい。ともかく分解のロジックの組み立てが素晴らしく、読んでいて大興奮してしまった。
こんなに興奮したのはシド・フィールド先生を初めて読んで以来かも。
ところで「じゃあどれを使えばいいの?」という話になるのだけど、一つ書くと、最初のシド・フィールドだけは斜め読みでもいいから、買って通読することを強くお勧めしたい。
なぜならシド・フィールドは書いた通り、シナリオライターの基礎教養になっていて、GDCだろうがどこだろうがシナリオに関する話が始まったとき、シド・フィールドの3幕構成を知っているのを前提にして、一切説明なしで、しゃべるのが当たり前だったりするので、3幕構成を知っていないと話にならないのだ。
そういう意味ではシド・フィールドは絶対だ。
次に、どうしてもというならゲーム関係者なら言うまでもなく『おもしろいゲームシナリオの作り方』になる。理論ベースで豊富な実例を分解しているのでとても役に立つ。またゲームへの距離でいうと『物語の法則』も近い。
ただ。
個人的な意見になるけど、ともかく全部買って、通読しなくていいから、斜め読みでいいから一通りざっと読んで、頭の中で「シナリオってのはこういう構造だ」と理解するのがいいと思っている。
専門書というのは、精読するべきポイントを押さえられれば、通読は雑でもいいし、だいたい通読する必要なんてなくて、超ナナメ読みしてともかく頭の片隅に情報として置いておくことが大事だと思っている。
読んでいって「アッ」と思ったところを押さえて、だんだん精度を上げていけばいいのだ。
どれか一冊を精読すればいいのではなく、たくさん見て様々な形を知っている方が大事だと思うのである。
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