1983年の7月15日はファミコンの発売日、ということになっているのだけど、これは本当にそうなのか？
というのが今回の話。

もちろん、任天堂の公式の発売日は1983/7/15だ。

だけど『さよならハドソン』を書いていた時、わかったことだったのだけど、80年代前半特に85-6年前のファミコンソフトの発売日、ってヤツは猛烈にいい加減だった。
これまた当たり前の話で、当時は物流のコントロールが難しく、メーカーから出荷されてからあとは実質的に商品をトラッキングすることは出来なかった。つまりメーカーから出荷したあとは、流通を流れていって、どこかで小売店に行き着いて発売されるってシステムだ。
だから『さよならハドソン』でも載せたけれど、初期のファミコンの発売直後のチラシですら、ソフトについてはは、8月予定とか書いてあるだけで日付が明白になっているチラシは全くない。
また、youtubeなどで当時のCMを検索しても、全くと言っていいほど85年ぐらいのTVゲームでは発売日を言っていない。
簡単に書けば、初期のファミコンおよびファミコンソフトには具体的な発売日なんてモノはなかった。
というわけで、例えば下のようなtwitterの証言が出てくるわけだ。


この証言に加えて書くなら、僕自身がゲームを買う時の情報も、インターネットも専門誌もないのだから、友達からとかオモチャ屋の店頭かテレビでCMを見る以外には、ゲームが発売されたかの知りようがなかった。

では、この発売日が整備されるのがいつ頃だったのかというと、ホントに詳しいことはわからないのだけど、ハドソンあたりを例に取ると、1985年の迷宮組曲の段階ではチラシには発売日が書かれていないが、1986年夏発売のスターソルジャーでは6/13と明白に発売日が設定されているので、85年末～86年の夏ごろの間に整備されたということなのだろう。

これの理由は想像がつく。当時、ファミコンは爆発的なブームを呼び起こし、84年末のBeepの発刊、85年7月にはファミリーコンピュータマガジンが発刊され、またこのころになると雑誌に、ファミコンの新作の発売スケジュールが掲載され始める。そして、発売日をはっきりさせた方が広報活動もイロイロやりやすく、85年から86年にかけて、発売日が明確になっていた、ということなのだろう。

というわけでだ。
任天堂が公式にファミコンの発売日としているのは1983/7/15だけど、この日は、今で言う「発売日」であった可能性は低い。
では、なんなのだろうか？
R_Kobayashiさんの「推理」が一番真相に近いような気がするので、以下に紹介。


つまり、メーカー出荷日に一番近い金曜日（ファミコン時代はゲームは金曜日発売が多かった）ということで1983年7月15日がファミコンの発売日になったのではなかろうか。

この発売日の話は『さよならハドソン』の一番最後の章を書いているときは意識していたのだけど、やっぱりテキストとして盛り上がるには、発売日がバシっと決まっていた方がいいんだよね〜ってことで、全てを無視して、今風の日付があったような書き方になっているのだった…
すいません(；・∀・)