2013-04-26 Fri [ ゲームについて::理屈のこと ]
F2PのゲームについてtwitterやFBでイロイロ書いていたところから話は始まる。
それでF2Pのゲームとチュートリアルについての同人誌を書かないかとかアホなことを言ってきた人がいて「書くのがスゴい大変だからイヤだ」と言ったのだけど、なんだかやたら欲しいという人が現れたので、モノは試しに…あんまり具体的な数字とかNDA的にヤバソーなことなく書けるか、ちょっと試してみようというわけだ。
それで、うまく書けそうだったら、続けて書いていってみようかというムチャな試みであるw
ところで一応書いておくけれどF2PはFree To Play、すなわち日本で言う「基本プレイ無料」ってヤツの略だ。
つまりダウンロード無料・基本的なプレイに対してお金はかからず、アイテム課金などの小額決済でお金を儲けていくシステムを持ったゲームのことと思えばいい。
そして、あと10年ぐらいでゲームの95%はF2Pと、メディア(マーケット)で考えられるほぼ最低価格(200円以下)+少額課金(コンティニューなど)になると考えている…すなわち、ゲームの未来は好むと好まざると、ほぼF2Pになってしまうと考えている。
と、まあ、原理的なところはともかく、まず書いておきたいF2Pの大原則がある。
「F2Pでは、ユーザーがダウンロードしてインストールしてプレイをはじめても、それはまだ(固定された)ユーザーではない」
これがF2Pと買いきりのコンソールの一番の違いだと、僕は思っている。
だいたい固定されたユーザーなんてF2Pには全くいないだろ? と、F2Pを知ってる人なら誰でもそういうだろう。
けれど、それでも一人のユーザーがチュートリアルを終了したか、それより前で離脱してしまうかは全く意味が違い、そしてF2Pでは(正しく設計された)チュートリアルを突破するまでは、(それなりに)固定されたユーザーとはいえないと考えている。
もちろんこれもF2Pな人たちにとっては「当たり前だろ」になるのは百も承知だが、このテキストは、それを知らない人向けの話だ。
で、まあ…チュートリアル以降のリテンションについてはレベルデザイナーに任せるとして、どうしてチュートリアルを突破するまではそれなりに固定されたユーザーとは言いがたいのか?
それはF2Pのチュートリアルには、従来の…特にコンソールゲームにおけるチュートリアルとはかなり意味が違う要素があるからだ。
コンソールでのチュートリアルといえば操作系を教えるとか、戦闘を教えるとか、メニューの使い方を教えるといった、ゲームの操作を教えることが主要目的だけど、F2Pでは違う。
というか、F2Pのチュートリアルは、プレイを始めたユーザーに対してゲームの面白さをプレゼンテーションし、さらに最も重要なゲームのルールを説明し(言い換えるなら、プレイヤーがプレイ出来るようにして)、かつ、出来れば一定量のリソースを与え、ゲームを止めにくくすることが目的だ。
そして、この中でゲームの面白さをプレゼンテーションするって目的はコンソールゲームの常識では少々わかりにくいが、とても大事だ。
どうして面白さをプレゼンテーションしなければならないのか?
ソーシャルやスマートフォンの世界では、ダウンロードしてインストールしてプレイを始めた瞬間は、いわばお試しユーザーで、簡単にプレイを止めてしまう。
ゲームをダウンロードした理由なんて、バナーにちょっとカワイイ女の子が描かれていたとか、なんとなく名前に惹かれたとか、アイコンがグっときたとか、メール見たら友だちからこのゲーム遊んでくれよって招待あったとか、そんなレベルのプレイヤーばかりでゲームに対する前知識もロイヤリティもほぼゼロの状態だ。
コンソールのように雑誌で何ヶ月も情報を追い、Xヶ月前から予約して、発売当日にお金を払ってゲームを手に入れ、テレビの前に座って、据え置きゲームマシンにディスクを入れ、やる気マンマンでコントローラを持っているユーザーなんて、10000ダウンロードに1人もいないだろう(いや、そんなユーザーはコンソールだって少ないだろうって話は別で)。
だから、F2Pではプレイヤーは極めて簡単にゲームを止めてしまう。いわく「なんだか面白くなさそう」、「なにやるのかわからなくなった」。
実に簡単だ。
なんせタダでダウンロードしてきて、プレイを始めている。中古に売る手間すらない。止めることになんのためらいもない。
だからF2Pのゲームの初期離脱率は恐ろしく高く、それを防ぐためには、最初のシーケンス、つまり何も知らない(と仮定される)プレイヤーに、いかに「このゲームは面白いですよ」とプレゼンテーションするかが、極めて重要になるわけだ。
それがゆえに、このお試しユーザーを定着させる(離脱させない)ために、低難易度のゲームをわかりやすくガイドしながら、プレイさせ、メカニクスを理解させるとともに、褒めて、ゲームに対する「やめたらもったいない感」を醸成しながら、先に進めていくチュートリアルは恐ろしく重要だ。
そして最初の3分間は、F2Pゲームの死命を制するパートで、ここの出来が悪ければ、もう「終わっている」と言って間違いではない。
どれぐらい終わっているのか?
例えばゲームロフトには、最初の3分を過ぎると1分毎にウン%の単位で離脱率が上がっていき、しかもこれは直線ではなく曲線でスゴい勢いで上がっていく…なんて世にも恐ろしいデータがあった。
つまり、チュートリアルに失敗するってことは、あっというまにユーザーのいないゲームになってしまうぐらい恐ろしいことなのだ。
では、チュートリアルはどのような要素が含まれて、どのようにして進めて行くことが望ましいのか?
そしてKPIのチュートリアル突破率を追うことが本当に正しいのか?
というような山のような疑問を残して、このシリーズは次回に続くのである。
(続けばw)
それでF2Pのゲームとチュートリアルについての同人誌を書かないかとかアホなことを言ってきた人がいて「書くのがスゴい大変だからイヤだ」と言ったのだけど、なんだかやたら欲しいという人が現れたので、モノは試しに…あんまり具体的な数字とかNDA的にヤバソーなことなく書けるか、ちょっと試してみようというわけだ。
それで、うまく書けそうだったら、続けて書いていってみようかというムチャな試みであるw
ところで一応書いておくけれどF2PはFree To Play、すなわち日本で言う「基本プレイ無料」ってヤツの略だ。
つまりダウンロード無料・基本的なプレイに対してお金はかからず、アイテム課金などの小額決済でお金を儲けていくシステムを持ったゲームのことと思えばいい。
そして、あと10年ぐらいでゲームの95%はF2Pと、メディア(マーケット)で考えられるほぼ最低価格(200円以下)+少額課金(コンティニューなど)になると考えている…すなわち、ゲームの未来は好むと好まざると、ほぼF2Pになってしまうと考えている。
と、まあ、原理的なところはともかく、まず書いておきたいF2Pの大原則がある。
「F2Pでは、ユーザーがダウンロードしてインストールしてプレイをはじめても、それはまだ(固定された)ユーザーではない」
これがF2Pと買いきりのコンソールの一番の違いだと、僕は思っている。
だいたい固定されたユーザーなんてF2Pには全くいないだろ? と、F2Pを知ってる人なら誰でもそういうだろう。
けれど、それでも一人のユーザーがチュートリアルを終了したか、それより前で離脱してしまうかは全く意味が違い、そしてF2Pでは(正しく設計された)チュートリアルを突破するまでは、(それなりに)固定されたユーザーとはいえないと考えている。
もちろんこれもF2Pな人たちにとっては「当たり前だろ」になるのは百も承知だが、このテキストは、それを知らない人向けの話だ。
で、まあ…チュートリアル以降のリテンションについてはレベルデザイナーに任せるとして、どうしてチュートリアルを突破するまではそれなりに固定されたユーザーとは言いがたいのか?
それはF2Pのチュートリアルには、従来の…特にコンソールゲームにおけるチュートリアルとはかなり意味が違う要素があるからだ。
コンソールでのチュートリアルといえば操作系を教えるとか、戦闘を教えるとか、メニューの使い方を教えるといった、ゲームの操作を教えることが主要目的だけど、F2Pでは違う。
というか、F2Pのチュートリアルは、プレイを始めたユーザーに対してゲームの面白さをプレゼンテーションし、さらに最も重要なゲームのルールを説明し(言い換えるなら、プレイヤーがプレイ出来るようにして)、かつ、出来れば一定量のリソースを与え、ゲームを止めにくくすることが目的だ。
そして、この中でゲームの面白さをプレゼンテーションするって目的はコンソールゲームの常識では少々わかりにくいが、とても大事だ。
どうして面白さをプレゼンテーションしなければならないのか?
ソーシャルやスマートフォンの世界では、ダウンロードしてインストールしてプレイを始めた瞬間は、いわばお試しユーザーで、簡単にプレイを止めてしまう。
ゲームをダウンロードした理由なんて、バナーにちょっとカワイイ女の子が描かれていたとか、なんとなく名前に惹かれたとか、アイコンがグっときたとか、メール見たら友だちからこのゲーム遊んでくれよって招待あったとか、そんなレベルのプレイヤーばかりでゲームに対する前知識もロイヤリティもほぼゼロの状態だ。
コンソールのように雑誌で何ヶ月も情報を追い、Xヶ月前から予約して、発売当日にお金を払ってゲームを手に入れ、テレビの前に座って、据え置きゲームマシンにディスクを入れ、やる気マンマンでコントローラを持っているユーザーなんて、10000ダウンロードに1人もいないだろう(いや、そんなユーザーはコンソールだって少ないだろうって話は別で)。
だから、F2Pではプレイヤーは極めて簡単にゲームを止めてしまう。いわく「なんだか面白くなさそう」、「なにやるのかわからなくなった」。
実に簡単だ。
なんせタダでダウンロードしてきて、プレイを始めている。中古に売る手間すらない。止めることになんのためらいもない。
だからF2Pのゲームの初期離脱率は恐ろしく高く、それを防ぐためには、最初のシーケンス、つまり何も知らない(と仮定される)プレイヤーに、いかに「このゲームは面白いですよ」とプレゼンテーションするかが、極めて重要になるわけだ。
このプレゼンテーションは過去のアーケードゲームでは標準的な技術の一つだったが、コンソールがゲームの中心になって事実上失われた技術になったと考えて構わない。
それがゆえに、このお試しユーザーを定着させる(離脱させない)ために、低難易度のゲームをわかりやすくガイドしながら、プレイさせ、メカニクスを理解させるとともに、褒めて、ゲームに対する「やめたらもったいない感」を醸成しながら、先に進めていくチュートリアルは恐ろしく重要だ。
そして最初の3分間は、F2Pゲームの死命を制するパートで、ここの出来が悪ければ、もう「終わっている」と言って間違いではない。
どれぐらい終わっているのか?
例えばゲームロフトには、最初の3分を過ぎると1分毎にウン%の単位で離脱率が上がっていき、しかもこれは直線ではなく曲線でスゴい勢いで上がっていく…なんて世にも恐ろしいデータがあった。
つまり、チュートリアルに失敗するってことは、あっというまにユーザーのいないゲームになってしまうぐらい恐ろしいことなのだ。
では、チュートリアルはどのような要素が含まれて、どのようにして進めて行くことが望ましいのか?
そしてKPIのチュートリアル突破率を追うことが本当に正しいのか?
というような山のような疑問を残して、このシリーズは次回に続くのである。
(続けばw)
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