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FF13-2をやって思ったモロモロのこと(7)::Colorful Pieces of Game

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FF13-2をやって思ったモロモロのこと(7)
FF13-2を(一応)最後までプレイして、ものすごくいろいろ思うことがあり、ちょっといろいろ書きたいのだけど、FF13-2について書くためには、疑いもなくFF13から話を始めないといけないので、そこから始めたこのシリーズ。
ようやくFF13-2にたどり着いて、あと1回で終わるつもり。

第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回

今回は第7回。FF13-2の4回目で、次で終わりで、次のも半分は書けてるのですぐにアップ出来るはず。
なんつーか時間なさすぎ。

さて、今回はFF13-2の戦闘について書きたいと思う。
FF13-2の戦闘を「良くなったか、悪くなったか?」の二択で話をするなら、13と比較して、間違いなく悪くなったパートだ。
ただし、純粋に悪くなったわけではなく、良くなったところもあるので、また評価が難しいのだけど、いずれにしても「総体としては悪くなってしまった」パートだと思う。
ただし、この「悪くなった」というのは、かなり複雑な要素があって、単に出来が悪いとかではないので、詳しく書いていく必要があるわけだ。

スクウェア・エニックスの名誉のために少し追記しておくと、普通の意味で戦闘に出来が悪いところはないと思う。
それどころか、普通の人にとっては多分大半は楽しめるものだと思う。


まず、最初に書いておくとFF13-2の戦闘…というか、キャラクタの成長システムは13と比較して、マイルドになっている。
このシリーズの最初の13の評価で書いたが、13の戦闘はかなりムチャだった。
もう一度ざっとまとめると…

・エンカウンターが完全固定(これはプラスでもあると思うが、道中が退屈になる要素にはなる)
・章ごとにレベル制限があり、その中でしか育てられない
・スピードが速くてかつオプティマ(キャラクタのジョブの組み合わせ)を素早く変えないと、速攻終了
・敵の攻撃が非常にインケンでかつレベル制限があるために、後半ではかなり高度な組立てが要求された。

他にも難易度曲線だのなんだのと問題はいっぱいあったけれど、特に問題だったのが、レベル制限と戦闘の速度で、結果、インターナショナル版ではもともとの日本版にはなかった難易度調整をつけるなんて、成長によって難易度調整ができるゲームメカニクスが最大の強みのRPGでは、どうなんだって話になってしまっている。

ちなみに戦闘そのものは(難しいが)面白いと評価されたせいか、FF13-2でも「見かけ」は変わらない。

まあそれはともかく、難易度やいろいろ文句を言われたところを直そうとして、FF13-2のバトルには13と比較して、以下の変化がある。

・敵はランダムエンカウンター基本。
・成長制限はない(かわりに幾つかの制限があるが、それは結構誤差の範囲)
・パーティメンバーは二人+モンスター一匹。

これ以外の見かけは、細かい改良、例えば「分散して攻撃とか、一人の敵を集中攻撃できるようになった」とか、いろいろあるけれど、ともかく見かけはFF13とほとんど変わらないバトルだ。

なんでモンスター入るんだよとか思う人も多いだろうが、これは明らかに中古対策だ。
モンスターを育てる、すなわちモンスター図鑑やら捕獲があるわけで、全部集めようとすればやたらと手間がかかる。すなわち中古に流れにくい、というわけだ。

ところで、エンカウンターが完全に固定なために、長くプレイすると戦闘が同じになってつまらないって、FF13の問題を解決するために導入されたと思われる13ー2のランダムエンカウンターだけど、これは猛烈に良くできている。
自分の周囲で、モーグリクロックなる時計の形をしたタイマーが現れ、その時間のうちに、一定距離を接触せず逃げきれば戦闘をしないで済み、逆に敵を発見して、さっさとぶっ叩くと、自分有利で始まるというシステムなのだけど、これは13にあった形状の怪しいやつは前か後ろかわからず、奇襲を仕掛けるのが非常にうざいって問題を見事に解決している。
ともかく早いところ敵と戦闘を始めればいいのだから、とてもわかりやすい。

そして、もちろん成長制限がなくなっているので、キャラクターを思う存分育てることができるので、13であった「ボスが強すぎて最高まで鍛えても倒せない」って問題は解決されているし、他にも細かな改良、例えば複数の敵とバトルしているときの、ターゲットのコントロールがやりにくいとか、そういう問題も直ってる。
…と、ここまでは一見、いろいろ改良されて良くなった戦闘に見えるのだけど、実は13ー2の戦闘は13と比較して、とても退屈だ。
その理由は戦闘の要素が恐ろしく単純化されたことだ。
FF13はとても敵が強いゲームだった。
だから、自分の強化(ヘイスト・プロテス・シェルなど)を維持するのに加えて、敵の弱体化、さらに敵の強化を剥がすことが極めて重要だった。
例えばエンハンサー(プレイヤー側を強化するジョブ)、ジャマー(敵を弱体するジョブ)を組み込んだオプティマを作ることが大事だったし、また敵の攻撃が厳しかったので、一時的に敵の攻撃を凌ぐためにデフェンダーを使って敵の攻撃を集中させ、その間に態勢を立て直すといった、戦闘の中での立て直し方まで考えてプレイする必要があった。
ところがだ、13ー2では、こういった13の面白かった要素、オプティマの組み立てはほぼスポイルされてなくなってしまった。
成長制限をなくしたことでバランスが取りにくいのはわかるが、ともかく自キャラの強化はまだしも敵の弱体、具体的にはジャマーが、かからない・効果が低いと、ゴミ同然のジョブになっていて、まるで役に立たなくなってしまった。(さらに書くと、自キャラの強化も微妙だ)
結果、ともかく敵をぶん殴り、あとは回復すればいい、そして回復が間に合わなければ負けるし、回復が間に合えば勝てる、と、実に単純なゲームになった。

また、もう一つ、FF13と比較して大きくつまらなくなったのが「ブレイク」だ。
FF13では敵にはブレイクゲージというものがあり、それは攻撃を当てるとたまり、だまっておくと減っていく。そしてゲージを最大まで貯めると相手がブレイク状態になる。
ブレイク状態になるとダメージが大幅に増え、しかも(ほとんどの)敵を空中に打ち上げられるようになり、空中に浮いている敵はなすすべがないので、やりたい放題に叩きのめすことが出来た。
そしてFF13では、敵に与えられるダメージが基本的にはブレイクしないと話にならない設定になっていたので「いかにブレイクに持ち込むか?」が大きなポイントだったし、ブレイクさせて空中に打ち上げて、なんもできなくなってる敵を叩きのめす快感ってのがあったわけだ。
ところが、FF13-2では、ブレイク自体はあるのだけど、ほとんどの敵を空中に打ち上げることができなくなった。
まあこれにはいくつか推測できる理由があるのだけど、ともかく空中に打ち上がらない。結果、何が起こったのかというと、ブレイクしている間は敵にダメージが大きくなるボーナスタイムでしかなく、かつ別に敵は普通に攻撃をしてくる。
だから回復も必要だし、アイテムを使うこともある。結果、「ブレイクしたから、空中に打ち上げるの前提で、思い切ってパーティを攻撃偏重にシフトしてリスクをかけて叩きのめす」というような面白さがほぼなくなってしまった。
しかも13ー2では、ボスがブレイク終了後回復するとか、防御してダメージが与えられなくなるといった、戦闘を引き延ばすための仕掛けがやたら多く、イライラすることをやることがものすごく多い。なので、下手にブレイクするぐらいだったら、ブレイクせずにHPをジワジワと削っていって、殺せるところまで行ったら一気に…なんて、なんのためにブレイクってあるんだよ、と聞きたくなるような状態になってしまった。
簡単に書けば、ブレイクの快感が大きく損なわれてしまったのだ。

まとめるなら、確かに、FF13-2の戦闘は万人が遊べるバランスには変化したと思う。
適当に敵は強いけれど、何も考えず敵を倒し、ひたすらキャラクタを強化すれば、どの敵を倒すこともできる。その意味では間違いなく一般向けのバランスになったといえる。
でもだ。
そのかわり、ジャマー・エンハンサー・ヒーラー、あらゆるジョブ(ロール)を組み合わせて、攻略を考える楽しみは完全に失われてしまい、漫然と敵を叩くだけのゲームになってしまったと言えるだろう。

またレベルが際限なくあげられることで、強い敵の作りが経験値を稼ぐことが前提になっていて、一定以下のレベルでは全く勝ち目がなくなってしまっているのも微妙な気持ちにさせられる

手厳しい書き方をするなら、自分たちが面白いと思った戦闘のバランスを捨て、「誰でもクリアできる」という耳に心地いい言葉のもとに、せっかく面白かった戦闘の要素を残すことなく、消し去ってしまったFF13の戦闘の残り滓、それがFF13-2の戦闘だと思ってしまうのだ。

FF13の面白さを残しながら、より一般性のあるバランスを作り上げる努力を放棄したとしか思えないバランスのとり方に僕は失望せざるを得なかったのだった。

次回、FF13-2の最大の問題点になっているマルチエンディングとまとめ。
これで終わりの予定。
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