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DSの『有野の挑戦状2』をプレイして思ったこと
これは『電撃王』や『電撃プレイステーション』に載せていたコラムの中で思い入れが深いものや、付け加えをして今出すと面白いと思ったものをアップトゥデートして載せていくシリーズ。
今回は比較的新しくて、2009年の電撃プレイステーションに載せたコラム。

■■■

今回はDSの話だけどDSだけの話じゃない、変な話。
僕はCSで放送されている「ゲームセンターCX」という番組が大好きで、DSの『有野の挑戦状2』に特典DVD がついているだけで買ってしまうほどファンだったりする。
つまり、僕にとって『有野の挑戦状2』は特典DVD が大事で、正直、ゲームはオマケでしかなかったのだが、ついでにゲームを遊んだら想像以上に面白く(失礼!)、自分的に思うことが多々あったので、取り上げようというわけだ。
メチャメチャ失礼な、本当に作ったスタッフには失礼な言い草だが、本当にこのつもりで買った。僕にとってはゲームはどうでもいいから、ゲームセンターCX見せろ、だったのだ。昔なつかしのビッグワンガムだ。
…ビッグワンガムもわかんないよねw


さて『有野の挑戦状2』を簡単にまとめるとレトロ風ゲーム集と紹介するストーリーの組み合わせから出来ている、いわば収録ゲームが実在しない『ナムコミュージアム』。
84年のファミコン全盛時代からPS1 登場前夜の92年までという設定で、ドットイート・横スクロールACT ・STG ・AVG ・落ち物パズル・RPG ・RCG など、一度は大流行したジャンルの「新たに作られたレトロ風ゲーム」がプレイ出来る。

これらのゲーム、いい意味でレトロっぽく出来ていて、寝る前に楽しくプレイする生活を続けていたのだが、細かい違和感がどうしてもあった。
それはスプライトが点滅しないとか、色が少々鮮やかすぎるとかでなく、当時の作り手には当たり前だった「お約束」がうまく真似られていない所があること。
このゲームのお約束には「Aは決定・Bはキャンセル」なんて形が変わって今も残っているものや、「RPGの二人目のメンバーは剣も魔法も使える男」なんて80年代作品には良く当てはまるものや、「高いところから落ちると地面があってもキャラが死ぬ」なんて80年代初期に消えたものまで、様々、幅広くあるが、このゲームは80年代レトロゲームとして作られているのに、当時のお約束が守られておらず、リアルタイムで遊んだ自分としては気になってしまったわけだ。
ただし、高いところから落ちて死ぬ、はPS3/X360世代になってジャンルによっては蘇った。グラフィックスがリアルになった結果、ダメージなしは逆に異様と、あと自動回復が標準化されたことから復活したアイディアといえる

とりわけ「違うなあ」と思ったのが2DSTG 。
「下から敵が出現した瞬間は敵は横に動かない」「地上砲台は自機が近いときは弾を撃たない」といった細かい、そして当時は当たり前と思っていたお約束が、正しく入っていないため、2DSTG 全盛時代を生きていた僕なぞは「ここでこれはないだろう?」なんて思ってしまった(とりわけ2DSTG を楽しみにしていたせいもあるが)。
2DSTG なんて化石みたいなジャンルで、新作なんか、このゲームぐらいでしか遊べないんだから文句言うなって感じだが、オールドゲーマーな僕としては、このあたりまで気を遣ってくれれば、もっと良かったのになあ…などと思ってしまう。
正確には弾幕ではない2DSTGは化石だろう。
PS3/X360のダウンロードでまれに見ることは出来るが、1メーカーのプライドをかけた、まさに王者だった時代は遥か遠くに過ぎ去って久しい…などと書くと、そんな時代があったのかと驚く人すらいるだろうが。

他にも92年のRPG は話す/調べるボタンの方が主流だとか(92年のDQV でシステムは保守的なDQも「べんりボタン」を搭載した)、時代考証が微妙におかしくないか…と思う所もあるが、全体には、僕のようなオールドゲーマーならニヤリとさせられるところ満載で、楽しめるのは間違いない。
てなわけで、ハード違いだが、30才以上のファミコン全盛時代を知っている人限定で、このゲームはお勧め出来る…と言えるだろう。

ところでFFが確立した「話す・調べる」ボタンはゲームにおけるユーザーインターフェースで、実はもっとも重要な革命のひとつだ。
海外では"Contextual"と表現されるが、前に人がいれば人に話しかけ、モノがあればそれに応じたアクションをする。つまり使用する文脈に応じて動作が(自然に)変わるボタンで、これは驚くべきことにFFIV(1991.10)で完全に確立されてから、現在のTPS/FPSで武器が落ちていれば武器を拾い、交換するという動作まで、変わらず延々と使われている。
歴史的な話を書くと、FFIIで「ワードメモリーシステム」ってものが登場するが、これが面倒くさいだけのシステムだったのでIIIで廃止され、少し変形してBボタンで話したり、調べたり出来るという挙動が登場する。これをさらに整理し「目の前に人がいるときは話す・操作するものがあったら操作する(場合によってはメニューを出す)」という近代的な動作を確立したのがFFIV。
これがあまりに感動的に便利だったのもので、以降のゲームでは"Contextual"な英語で言う"Action ボタン"(アクションになにが入るかは文脈によって変わるのでこの表現になるわけだ)が急速に、日本では普及していき、これが海外ゲームに輸入されて標準化されていくのである。

■■■

なんでこれをいきなり載せたのかと言うと、時事ネタなのだ。
今日(2012/2/25)の朝、ツイッターのTLで異様にゲームセンターCXが盛り上がっており「なにやってんの?」と聞いたところ、SFCのパイロットウイングスだという。
あれは最初のうちはともかく、後半面の難易度がハンパではなく、こりゃーきっとひどいことになるだろうと思っていたら、最終ミッションでみんな「ジクザグ! もっと大きく曲がれ!」とTL大騒ぎ。
「例によって課長が『いいから俺にコントローラよこせ』とわめきたくなるプレイしてるの?」
と聞いたら
「まさにその通り!」
課長がクリアできたかどうかは知らないのだけど、僕はいずれにしてもニュージーランドにいるので見ることは出来ない。あまりに悔しかったので思い出したのがこの電撃に載せた文だったというわけ。
で、ついでにゲームセンターCXのDVDを紹介しようと思ったら、なんと8本も出てるのね…全部持ってるのにこんなにあったとは気がつかなかったよw

■ゲームセンターCX DVD-BOX
|| 19:30 | comments (6) | trackback (0) | ||

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コメント
>> にきょうさま
ですから「完全に確立した」と書いてありますでしょう。基本は今と変わらなくなったのは、FFIVなのです。
| 岩崎 | EMAIL | URL | 12/03/07 01:27 | KULp8pEI |
<これは驚くべきことにFFIV(1991.10)で完全に確立されてから
これ、FFIの時点で基本的にはこうじゃないですか?といっても宝箱を空けるぐらいですけど。
重要アイテム(ひこうせきとか)を使う時以外は全て最初からワンボタンスタイルのはず。
| にきょう | EMAIL | URL | 12/03/06 21:03 | RMXmpnqs |
ファイナルファンタジーⅡは、Xanaduの熟練度システムも、ガデュリン ディガンの魔石の会話システム=ワードメモリーシステムも取り込んだ感じで、当時「ゲームは、ファミコンさえあればわざわざ高いパソコンなんかイラネ」観にますます拍車をかけた印象。
あの頃、既にスクウェアはアツいゲームソフトメーカーでした。
| すがる | EMAIL | URL | 12/02/29 22:24 | DR41vFOQ |
DSのゲームセンターCXには、「テレビゲーム検定」という腹違いの兄弟がいますね。
こちらはミュージアム系の家柄を継いでいます。(ワリオが母親なのかな)

食玩全盛期には、不思議とプラモ形式なのが見当たりませんでしたけど
今度のWTM復活版がそれにあたるのかもしれません。
(ビッグ1ガムは、今にして思えばアイテムが結構マニアックだったような)
| atsu | EMAIL | URL | 12/02/25 22:10 | jB3nOvqE |
FFⅡのWMシステムは会話が一方通行にならないようにするためのものだった、と何かの本で読んだ記憶があります。会話が発展するので個人的には面白いと思いましたが、あれっきりでしたね。

FFⅡは戦闘システムの方が面倒かつ不便だと思います。なぜ、あんなモノを作ったのやら・・・
| take | EMAIL | URL | 12/02/25 21:35 | NLXYlE0M |
ビッグワンガムはヤマトだけ買いました
| SOW | EMAIL | URL | 12/02/25 19:35 | lG6Kf2Ng |
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