CALENDAR
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31     
<<  2024 - 12  >>

PROFILE
同人誌 電子書籍版
Re:ゼロから始める
ゲームシナリオ


ライトニング伝説


さよならハドソン


ドラクエとFFと
ToHeart


誰得ゲームライフ


ときめきメモリアル
の時代

イースI・II製作メモ

頒布ページ
LINKS
NEW ENTRIES
CATEGORIES
COMMENTS
    イースⅠ・Ⅱ通史(3):『リグラス』から『ロマンシア』
  • タムロ (02/03)
    イースⅠ・Ⅱ通史(1):PC88MkⅡSRの発売
  • tamuro (01/05)
  • おお! (01/03)
TRACBACKS
OTHERS
SEARCH BOX
POWERED BY
POWERED BY
ぶろぐん
DESIGN BY
ブログンサポート

ゲームとシナリオの奇怪な関係
『ルーク・スカイウォーカー問題』「難易度を下げれば解決する」という主張があったけれど、残念ながらそれでは解決しない。
問題を簡単に煮詰めると

●デススター撃破はそもそも無理な難易度で、普通は失敗する。
 ⇒とてもムリなコトを成功するからヒーローだ。
●体験は原理的には時系列に従うので一回性。だから死んでやり直しとかはありえない(死んだら「死んで終わった体験」が正しいことになる)
 ⇒これを死んでもやり直せる世界観を作ることで解決しているのが例えば"All you need is kill"だとか、トルネコ/シレンの「不思議のダンジョン」って仕掛けだったり、最近だと"シャドウ・オブ・モルドール"だったりする(ただしモルドールは時間が戻るわけではないのでさらにスゴい)。
●ゲームデザイナーがユーザーに体験してもらいたいストーリーはもちろんデススターを破壊する
 ⇒100%成功するアイディア以外は、体験としては全部成り立たない。

つまり『ルーク・スカイウォーカー問題』 は、課金だろうが、100倍に速度を落とそうが、QTEだろうが絶対に失敗しない方法以外では構造的に解決出来ない。それでは映画や小説のような(強い)一本道のストーリーを取りつつ死んでやり直しがあるゲームで、かつ時間ループや不思議のダンジョンを使わない世界(大多数は使えない)はどのようにすればいいのか?

簡単な使われる解決策として有効なものが二つ…いや1.5個ぐらいある。
それはノベル形式もしくはいわゆるガラケーのソシャゲの5ポチ形式だ。ボタンを押すだけで先に進み、かつ選択肢があっても、その選択肢が失敗に繋がらなければ100%成功するので、そもそものシナリオで失敗させない限りは絶対に失敗しない。ノベル形式ならストーリー展開に影響しない選択肢を与えればゲームっぽく見えるだろうし、5ポチならエナジーとかスタミナと呼ばれるものを導入すれば、やはりゲームっぽくなる。
ただ、これはコンピュータゲームの最強の武器であるインターアクトする能力を極端に制限して解決する方法で、操作が絶対に失敗しない構造では緊張感がないし、緊張感がなければ没入感も薄くなる。

では失敗があるゲームで絶対に成功させるには、どうすればいいのか?

続きを読む▽
|| 20:52 | comments (5) | trackback (0) | ||

このエントリーをはてなブックマークに追加
ルーク・スカイウォーカー問題
最近、会社の若いゲームデザイナーに説明することがあったので、ついでと言っては何だが、ルーク・スカイウォーカー問題と呼んでいる古くて新しくて難しいゲームデザイン上の問題について、メモ書き代わりに残しておきたい。
尊敬するクリス・クロフォードがElectric GamingやCGDCの講演でスゴく語っていたゲームの持つ宿命的な問題だ。

「映画のヒーローのようになりたい」という、誰でも一度が持ちそうな夢を叶えるのは、テレビゲームのストーリー的な側面、シミュレータ的な側面、そしてインタラクティブメディアであることが組み合わさった、素晴らしい能力だ。

ところが映画のヒーローが立ちむかうクライマックスのような状況を本当にゲームで設定すると、ほとんどクリア不可能なうえに、クリア出来るようにすると別の問題が起こる、というのがこの問題のそもそも。
例えば(問題の名前に準じて)スターウォーズ EP4のラストバトルの条件を考えてみよう。

・ターゲット直径2メートル。正確に当てないと終了。
・コンピュータで狙ってもターゲットに当たらないことは、前回の攻撃で証明済み
・残り数分で反乱軍の基地は吹っ飛ぶ。勝負はただ一度。
・ターゲットを攻撃するためにはクソ狭い溝の中を飛んでいかなければならない。
・後ろからはベイダー卿ご一行がビーム撃ちまくってくる
・前からはバリバリ対空砲火
・頼りにしていたナブロボットも吹っ飛んでる。
・味方は自分だけ。

どう見ても殺しにかかっている難易度で、こんな最終面があったら、僕なら「クソゲーだ!」とほぼ間違いなく叫ぶ。
ではどういうバランスを取ればいいのか、何がゲームデザインとして正しいのか? というのが、ルーク・スカイウォーカー問題。


続きを読む▽
|| 21:05 | comments (6) | trackback (0) | ||

このエントリーをはてなブックマークに追加
F2Pの最初の3分間2016 - (1)
F2Pの最初の3分間におけるディレクティブチュートリアルの作り方(主にゲームロフト的な)を説明して、約2年経った。
で1年前の冬コミで記事をまとめた『F2Pの最初の3分間』という同人誌を出して、続編で夏に『F2Pの最初の90日間』を書いたのだけど、その中で1年も経ったら、古い技術になるだろうと書いた。
そのとおりで、既に古い技術になったという感慨を持っている。

■F2Pの最初の3分間
→ (1)(2)(3)(4)
■桝田方式によるユーザーストーリーの作り方
→ (1)(2)(3)(4)(4.5)(5)(6)(7)

どうして古くなったのか?
それを原理的に考えるためには、もそもDirective Tutorialをなぜ作るのか? が話のモトになる。


続きを読む▽
|| 21:20 | comments (0) | trackback (0) | ||

このエントリーをはてなブックマークに追加
俺の仕掛けにプレイヤーがハマったとき、楽しい…のは誰だ!?
ちょっと…のつもりだったんだけど、7月頭だったんで、なんと2か月前の 記事の続きみたいなものだ。

しばらく前にこんなことをツイートした。
ゲームを作っている人と話をしていると、ダンジョンやらバトルやらの設計をしているとき
「XXでユーザーがこう引っかかるから、面白いでしょう!?」
とか言う人が結構いる。
「それにユーザーが引っかかって、なぜユーザーは面白いと思うんですか?」
対して上の問いを発した時、説明出来ないゲームデザイナーは多い。
ユーザーが引っかかって面白いのは自分で、ユーザーの目線で見ているわけじゃないんだよね。


続きを読む▽
|| 22:40 | comments (0) | trackback (0) | ||

このエントリーをはてなブックマークに追加
桝田方式によるユーザーストーリーの作り方(7)
パート(1)
パート(2)
パート(3)
パート(4)
パート(4.5)
パート(5)
パート(6)

"Progession Wall"とはなにか?
直訳すると"進行するときの壁"とでもいうところになる。
そもそもはRPGなどで難易度の壁を作るために必要なゲームデザイン上の技術で、これが転用されて海外で極めてよく使われるマネタイズの技術になっている。
非常に基本的な概念なので、まずRPGやCity Builder系でよく使われる形式でユーザーの所持金に関係するモデルを組み立てよう。
極端に単純化してあるモデルだが、ちょっと調整すれば簡単なゲームに使用可能な妥当なモデルになっているので、説明していこう。

続きを読む▽
|| 23:14 | comments (0) | trackback (0) | ||

このエントリーをはてなブックマークに追加